こんなときどうする?

後遺障害等級認定の被害者請求と事前認定2018.03.23

後遺障害とは

 

 交通事故で傷害を負った被害者は、病院に入院や通院をして医師の治療を受け、傷害の回復を図っていくことになりますが、傷害が完全には回復せずに身体になんらかの障害が残る場合があります。一般的には後遺症とよばれているものですが、このような後遺症は自賠責保険においては後遺障害と呼んでおり、1級から14級までの等級で類型化されています。

 等級認定は、自賠責の基準に従って行われ、後遺障害等級が認定されなければ、自賠責保険からは、被害者に何らかの後遺症があったとしてもその分は一切補償されません。なお、訴訟になった場合は後遺障害の有無は裁判所が判断することになり、自賠責保険の等級認定結果に拘束されずに、独自に認定することが可能です(ただし、あまり多くはないです)。認定が自賠責の類型、基準によるため、何らかの症状が残存しており、確かに後遺症と呼ばれるものがあるけれども、「自賠責の」後遺障害として認定されないという事態は起こりえます。たとえば、CRPSは自賠責の認定基準、要件が厳しすぎるため、確かに後遺症はあるけれども、等級認定されないということがあり得ます。このような場合は訴訟提起することになる場合が多いです。

 

症状固定とは

 

 どの被害者も後遺障害が残らないように治療をうけているのであり、回復の見込みがあれば、当然、治療を続けるべきと考えますが、治療を続けても、症状がよくならないという状態になることがあります。これを法律用語で症状固定と呼んでいますが、症状固定に至ったときに、後遺障害がある場合は、担当医師に後遺障害診断書を書いてもらうことになります。症状固定になったかどうかという点については、一義的に決まるものではなく、保険会社と被害者との間で争いとなることはよくあります。被害者としては、痛みがある、あるいは回復の見込みがあると思えるときは、治療を続けたいと考えるのは当然ですし、一方保険会社側としては、永久に治療費を出し続けるわけにはいかず、常識的などこかの時点で治療を一旦終了させ、その後は後遺障害の問題として処理しようとします。このような場合、被害者側代理人としては、被害者と担当医の意見を聞きながら、どこかの時点で折り合いつけることになりますが、保険会社とはできるだけ治療期間を長くとれるように交渉していくことになります。ただし、治療期間を闇雲に伸ばす必要はありませんし、慰謝料を多くもらう目的で実際は回復しているにもかかわらず、治療を伸ばしていこうと思っている者も世の中にはいなくはないですが、このような行為はよくないことです。

 

等級認定の機関

 

 後遺障害診断書やその他の診断書、レントゲンやMRIなどの画像データを元に後遺障害を認定していくことになるわけですが、勘違いされる方もおられますが、後遺障害等級認定というのは、相手方保険会社が行っているわけではなく(もしそうであれば著しく不公平なことになってしまいます)、第三者機関である、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査センターの調査事務所が損害調査を行って認定しています。

 

請求の方法

 

 後遺障害等級認定手続は被害者からの被害者請求という形で行うほか(その他にも加害者が行う加害者請求もあります)、任意保険会社による一括払いの前提として、任意保険会社が被害者に対して任意保険金を支払う前に、損保料率機構に対して事前認定という形で請求することがあります。被害者請求をするには、被害者側で書類や画像データを揃えなくてはならず、面倒なこともあり、弁護士が付かない場合は実際上は事前認定よる場合が圧倒的に多いかと思います。事前認定による場合は、被害者は基本的には医師の診察を受けて後遺障害診断書を作成してもらいこれを医師から取得して、任意保険会社に提出し、任意保険会社に事前認定を依頼すれば足ります。事前認定の場合は、結果及び判断理由については、損保料率機構から被害者宛に通知されませんので、これらについては任意保険会社から教えてもらう必要があります。事前認定による場合は被害者側に不利になるといわれることもありますが、認定自体は第三者機関によって行われていますので必ずしもそうは言えないように思います(後遺障害の種類によります)。ただ、弁護士が付く場合は被害者に無用な不安感をもたせないためにも被害者請求が原則となります。