労災給付の種類(自賠責との違い) - 交通事故弁護士なら大阪のクオレ法律事務所

労災給付の種類(自賠責との違い)

自動車事故の被害者が通勤中であったとか、運送業等で業務中であったとかいう場合には、交通事故であると同時に労務災害にあたる場合があります。自賠責(任意保険)を使うか労災を使うかの選択をする場面がありますが、労災の主な給付金は以下のようになっています。

休業補償給付・休業給付
 書式としては、業務災害の場合「様式8号」、通勤災害は「様式16号の6」が必要です。これらの書式は厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。被災労働者は医療機関にて傷病の部位及び傷病名や療養期間などについて、証明をしてもらう必要がありますので、医療機関に当該書類を持参して下さい。
 休業補償給付は、労働者が業務上または通勤途上の傷病に係る療養のため働くことができず、かつ賃金が支払われない場合、労働ができなくなり賃金を受けていない日の休業4日目から支給されます。支給額は休業1日につき給付基礎日額の6割です。ただし、休業特別支給金が2割支払われますので、実質は8割相当になります。なお、業務災害の場合には、最初の3日間は「待期期間」といって事業主に補償義務が課せられていますが、通勤災害の場合は、「待期期間」に対する事業主の補償義務はありません。
 このように、労災における休業補償は全額支払われない点で補償としては、任意保険には劣ります。なお、自賠責では原則として1日5,700円となっていて補償としては最低限のものとなっています。

②障害補償給付・障害給付
 業務災害の場合、「様式10号」、通勤災害は「様式16号の7」が必要となります。担当医の証明が必要なことは休業補償給付と同じです。
 障害補償給付は、業務上の傷病が治ったときに、残存する身体障害による労働能力の喪失に対する補償を目的とするもので、当該労働者の障害の程度に応じて支給されます。なお、労災保険でいう「傷病が治癒したとき」とは、負傷または傷病に対する治療効果が期待できなくなり、かつその症状が固定した状態になったときをいいます。いわゆる症状固定と呼ばれている状態で、これについては自賠責保険も同じ扱いです。
 労災保険では、補償の対象となる障害を138種類に分け、その障害の程度に応じて1級から14級に区分して障害等級表が定められています。自賠責保険についてもこれに準じて後遺障害等級表が定められています。
 障害補償給付の支払いは、年金一時金の2つに分けられ、障害等級が1級から7級に該当する障害については年金とされ、8級から14級に該当する障害一時金として給付されます。支給金額は、被災労働者の給付基礎日額に、障害等級に応じて決められている給付日数を乗じて算出されます。なお、自賠責では年金形式の支給はなく、保険金として支払われるものは、すべて一時金となっています。
 障害等級が1級から7級に当たる場合は、労災からは障害補償年金が支給されますが、厚生年金・国民年金からも障害年金が支払われることがあります。しかし、支給額はたとえば厚生年金から障害年金を受け取っている場合には、労災の障害補償年金額は83%に減額されます。また、一時金については労災からの障害補償一時金のみが支給され、他の障害手当金は全額停止され、重複支給されません。
 労災の請求期限はけがなどが治癒(症状固定)した日の翌日から5年間となっています。

 この他にも、労災独自のものとして、遺族補償給付傷病補償年金介護補償給付などがあります。

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